
11/19(水)、都内某所で「食べチョク りんごグランプリ2025」が開催されました!「いちごグランプリ」「ぶどうグランプリ」に続き、今回もフルフムの編集長が審査員として参加しています。
「食べチョク りんごグランプリ2025」は、日本最大の産直通販サイト「食べチョク」を運営する、株式会社ビビッドガーデンさんの主催です。りんごの魅力や生産者の取り組みを広めることを目的としたイベントで、優れたりんごを栽培している生産者さんを表彰します。
会場はりんごの甘い香りでいっぱい!今回のエントリー数は70点で、全国各地から選りすぐりのりんごたちがたくさん集まっていました。
りんごに関する研究者・生産者・味覚のプロによる審査が行われ、「美味しさ」にフォーカスした品評会となっています。
「食べチョク りんごグランプリ2025」スタート
審査の方法や注意点などの説明があり、「食べチョク」代表の秋元里奈さんから、開催趣旨についてお話があります。

日本には、2,000品種以上のりんごがあるにも関わらず、全国の収穫量の76%を4品種で占めているようです。今回は、そんな知られざる品種を知ってもらうという意図もあるとのこと。
りんごグランプリ2025の賞
毎回、さまざまな賞がある食べチョクグランプリ。今回の部門と賞は、以下のようになっています。
【総合部門】最高金賞・金賞・銀賞・銅賞
【味わい部門】濃厚な甘さ賞・バランスのいい甘さ賞・キュンとさわやか賞
【伝統ふじ部門】サンふじ・葉とらずふじ賞
【次の時代を切り拓くりんご部門】新時代のりんご賞・U40賞
【りんごの多様性部門】カラフルりんご賞・食べチョク賞
りんごの食味審査
審査員は、産地・品種・生産者名を伏せた状態で食味審査を行います。審査時間は120分。見た目や味、香り、食感などを総合的に評価します。

りんごは、その場でりんごカッターを使い8等分にして試食します。カットした際の香りも重要な評価ポイントです。審査員は3〜4玉分ぐらいのりんごを食べることになり、お腹いっぱいになりました。


審査員が記入した評価やコメントは生産者さんへフィードバックされ、次のりんご作りに活かされます。
「りんごグランプリ 2025」気になる総合部門最高金賞は…!?

総合部門の最高金賞に選ばれたのは、安曇野ファミリー農産(長野県安曇野市)の無袋ふじ!!!

しっかりした果肉やサクサクとした歯切れのよい食感、甘みと酸味がしっかりある点などが評価されています。赤い色や形も美しいですね!
→その他の賞については、「食べチョク」のページをご確認ください。
最後に「食べチョク」代表 秋元さんへインタビュー

フルフム編集部(以下、編集部):今回「りんご」をテーマに選ばれた理由について伺えますか。「いちご」「ぶどう」に続く果実として、どのような位置づけにあるのでしょう。
秋元さん(以下、秋元):人気の高い果物から順番に企画を進めています。りんごもご自宅用としてとても人気があって、毎日かなりの量が販売されているんです。ただ一方で、「ふじ」以外の品種はあまり知られていません。今回は、そんな多様な品種に光を当てたいという思いで開催しました。
編集部:生産者の方々の「こだわり」を掘り起こして評価する点も、この品評会の魅力だと感じています。審査を通して特に印象に残ったケースや、「これはすごい」と思われたポイントはありますか?
秋元:そうですね、例えば青森の「釈迦のりんご園」さんは、三代にわたり青森県りんご品評会で“全県第一席”を受賞した生産者さんで、まさに賞を取るためのりんご作りを極めている方です。
一方で、長野県の「安曇野ファミリー農産」さんのように、りんごの可能性を広げたいという思いから20種類以上の品種を育てている生産者さんもいます。
その中には「ピンクレディー®」のような希少品種も含まれます。安曇野ファミリー農産さんがこうした多様な品種の魅力を丁寧に紹介し続けたことで、食べチョク内でも少しずつ人気が広がってきているんです。
編集部:いつも賞の付け方がユニークですね。今回は特にバラエティ豊かです。それぞれの賞について、作った背景を質問させてください。
まずは、味わい部門の中の「キュンとさわやか賞」について教えてください。
秋元:「キュンとさわやか賞」は、りんごの“爽やかさ”にきちんと光を当てたいと思って作った賞なんです。
りんごは、必ずしも“甘ければ良い”というわけではなくて、本当に人それぞれ好みが分かれます。甘さとは違う方向性の魅力が必要だと思い、今回この賞を設けました。
また、「酸味」を表す言葉は、どうしてもネガティブに受け止められやすく、酸っぱいりんごという印象だけが強く残ってしまうことがあります。そこで、その良さをポジティブに伝えるために、ネーミングをかなり工夫しました。「キュンとさわやか」という表現は、爽快さや軽やかさといった魅力が自然に伝わるように意識した言葉です。
編集部:「ふじ」だけ“伝統ふじ部門”という独立した部門がありますが、これはなぜでしょうか?
秋元:りんごの生産量の約半分を占めるのが「ふじ」で、生産者さんも非常に多い品種です。同じ「ふじ」でも、実はキャラクターがまったく違うものがたくさんあります。ただ、一般の方にはどうしても「ふじはふじ」というひとまとめのイメージが強く、その違いがなかなか伝わりません。そこであえて部門を独立させることで、「実はこんなに個性が違うんだ」ということを知っていただきたい、という狙いがあります。
編集部:カラフルりんご賞について教えてください。
秋元:実際に審査をしてみて強く感じたのは、黄色や緑のりんごにも食味の優れた品種が本当に多いということです。赤いりんごは見た目をきれいに仕上げるために、葉摘みや玉回しといった“陽をしっかり当てるための手間”が必要になります。一方で、黄色いりんごはその作業が基本的に不要で、労力を抑えて育てやすい面があります。にもかかわらず、「ぐんま名月」のように糖度が高く、とても甘くて美味しい黄色いりんごもあります。
ただ、店頭ではどうしても赤いりんごが中心に並ぶため、こうしたカラーバリエーションや味わいの違いが十分に伝わりきっていないのが現状です。そこで今回は、赤以外のりんごにフォーカスした賞を設け、バナーのデザインも赤だけでなく多彩な色を使うことで、りんごの多様性を視覚的にも伝えられるようにしました。
ぶどうでいえば、赤系もシャインマスカットのような緑系も広く受け入れられていますよね。りんごも同じように、もっと多彩な色や個性を持つ品種に目が向く未来がくるはずです。今回の賞をきっかけに、りんごにも様々な品種の魅力があることを知っていただけたら嬉しいです。
編集部:U40賞という年齢基準も面白いと感じました。
秋元:りんごは、青森や長野を中心に代々続く農家さんが多く、長い年月をかけて技術を磨いてきた熟練の方もたくさんいらっしゃいます。一方で、りんご作りを次の世代へつなぐためには、若手生産者にしっかりスポットライトを当て、業界全体を後押ししていくことが欠かせません。そこで今回は、あえて40歳以下の生産者という、年齢で区切った賞を用意しました。
編集部:最後になりますが、新時代のりんご賞について教えてください。
秋元:ぶどうグランプリ2025で、当時まだ知名度の低かった「サンシャインレッド」が満場一致に近い形で高く評価され、隠れたスターが存在することを実感しました。その経験から、りんごの世界にも同じように、まだ広く知られていない優れた品種が必ずあるはずだと感じています。
新しい世代の品種の中に、次のシャインマスカットやサンシャインレッドのような未来の主役が眠っているかもしれません。そうした可能性を発掘したいというのがこの賞の意図です。
各賞を設けた背景からも、食べチョクさんが生産者さんを応援したいという気持ちが伝わってきます。
「りんごグランプリ」をきっかけに、様々なフルーツの品種の魅力に注目して、りんごを味わってみませんか?
→受賞りんごの購入は、「食べチョク」の受賞りんごセレクションのページへ
あとがき
私たちが試食を担当したテーブルは、赤・黄・緑、様々なカラーのりんごが大集合。それぞれの色の個性を楽しみつつ試食を行いました。一方で、赤いりんごがどっさり集まったテーブルも!間違えないよう慎重に審査をされていました。

































