
最近、スーパーなどの売り場では色々な品種のいちごが並んでいるのを目にするようになりました。
しかし、見た目や品種名だけではどんな特徴を持っているか分かりづらく、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。食べ比べてみると、実はそれぞれ個性があって面白いのです…!
今回は、いま流通している品種の中から、おすすめの品種を12品種ご紹介します。
「おいしいいちごが食べたい!」と思った時の参考にしてみてください。
<この記事を読まれる方へ>
いちごは、栽培環境や収穫時期の影響をとても受けやすいフルーツです。その美味しさには、品種の特徴だけでなく、産地や生産者によっても大きな違いがあります。
ここで紹介した特徴が必ずしも現れる訳ではないことにご留意ください。本当の美味しさは、ぜひご自分の舌で確かめてみてくださいね。
近年注目の新品種
今では、全国各地で新しいいちごの品種が開発され、「いちご戦国時代」とも言われています。その中でも特に注目の、おすすめ品種をご紹介します。
いちご界の革命。甘いいちごを愛する人へ
1.あまりん


ポイント
・埼玉県育成の超有望新品種
・圧倒的な甘さ
・形が綺麗で日持ちも良い
どんな品種?
2016年に埼玉県で育成された、非常に美味しい新品種です。 風味の良い『ふくはる香』と甘味の強い『やよいひめ』を親に持ち、圧倒的な甘味と濃い風味が特徴。果肉は硬く、きれいな円錐形になります。
その美味しさは市場関係者にも広く認められ、新しい品種ながら百貨店や高級果物店など一流の販売店でも取り扱われています。
栽培は埼玉県内に限定されているため、流通は関東近郊が中心。
高価格帯で取引されており、スーパーマーケットでも1パック2000円を超えることも。それでも見かけたらぜひ手に取ってほしい、おすすめの品種です。
おすすめ農園
甘味と風味の強い、美味しい『あまりん』を生産されている生産者さんです。
農園のオンラインショップで購入できるほか、東京近郊のスーパーマーケットでも矢島農園さんのパックを見かけることがあります。「彩のあまりん」という名称と農園の名前がパックに書いてあるので、見かけたらぜひお手に取ってみてください。
幻の極上いちご
2.かおりん


ポイント
・『あまりん』の姉妹品種として誕生した埼玉オリジナル品種
・強い甘味に酸味のアクセント
・あまり市場流通しないレア品種
どんな品種?
埼玉県で育成された新品種で、姉妹品種の『あまりん』と同じく2016年に誕生しました。
非常に強い甘味と、しっかりとした酸味が感じられる、極めて美味しい品種です。硬さがありながらもジュワッとジューシーで、食感も抜群。
いちご好きの間では、この品種が一番好き!と言う人も少なくありません。
ただ、栽培が難しいことや市場流通に向いていないことから生産者が減少しており、言わば「幻の品種」となりつつあります。売り場で見かけることはほとんど無いため、直接農園へ足を運ぶか、産直で購入するのがおすすめです。
おすすめ農園
秩父の山奥にあるいちご農園。直売所もあります。行くのはなかなか大変ですが、『かおりん』以外の取り扱い品種もとても美味しいので、足を運ぶ価値アリです!
埼玉の新星
3.べにたま


ポイント
・極良食味の『かおりん』の子ども
・真っ白な果肉と透明感のある甘味
・市場流通向けで、今後流通量が増えていくかも?
どんな品種?
埼玉県で育成され、2021年に品種登録出願された最新品種。
食味は良いけれど栽培が難しい『かおりん』と、病気に強く収穫時期の早い『かおり野』という品種の掛け合わせで誕生しました。
少し扁平な形をしていて、時期によってはかなり大きな粒になります。
断面は真っ白で、カルピスなどを思わせる爽やかな甘い香り。
甘味が強く、風味豊かでとても美味しい品種です。
市場出荷もされており、埼玉県内や都内の一部スーパー、百貨店でも購入することができます。
他の品種と比べると少し高めの価格設定ですが、ぜひ手に取っていただきたいいちごです。
おすすめ農園
JAほくさい 北川辺いちご部会
野菜ソムリエ協会主催の「第1回クリスマスいちご選手権」で優勝した、実績ある産地です。スーパーなどの店頭に並ぶパックに産地が記載されているので、ぜひ見てみてください。

栃木の新定番
4.とちあいか


ポイント
・生産量全国1位、栃木県の主力品種
・しっかりした食感と甘味重視の味わい
・『とちおとめ』から一気に転換
どんな品種?
2019年に本格流通が始まった、栃木県の新品種。
急速に栽培が拡大し、現在では栃木県のいちご作付面積の80%以上を『とちあいか』が占めるまでになりました。
市場へも非常に多く出荷されており、関東のスーパーマーケットの売り場ではどこでも見かける存在になっています。
果肉はとても硬く、ザクッとした食感。ヘタの部分が内側に凹むため、「ハート型のいちご」とアピールされることもあります。甘味が強く、酸味は穏やかです。
どこでも手に入る品種ではありますが、完熟の『とちあいか』を食べたい時には農園から発送してもらうのが一番!
★ポイント
産地直送で購入すると、届いてすぐは冷え過ぎていて甘味を感じにくいことがあります。
1〜2時間常温に置くか、家庭の冷蔵庫で1晩ほど寝かせると味が馴染んで美味しくいただけます。
おすすめ農園
栃木県茂木町
野菜ソムリエ協会主催の「第3回全国いちご選手権」でも入賞した農園です。
甘味と風味がどちらも強い、バランスタイプの『とちあいか』が味わえます。
ふるさと納税の返礼品にも選べますよ。
フルーティーな輝くいちご
5.きらぴ香


ポイント
・『紅ほっぺ』と並ぶ静岡県オリジナル品種
・フルーティーな風味と程よい酸味
・都内ではスーパーなどでもよく見かけます
どんな品種?
静岡県で『紅ほっぺ』の後継品種として育成され、2017年に品種登録されました。
静岡県産いちごとしては『紅ほっぺ』もまだまだ現役ですが、都内近郊のスーパーマーケットでは『きらぴ香』を多く見かけるようになりました。
栽培は静岡県内限定。少し細長い形をしていて、平パックでの販売が中心です。
果肉の硬さはそこそこといったところ。『紅ほっぺ』譲りのぶどうに似た風味があり、風味がとてもフルーティーです。
甘味と酸味のバランスが良く、豊かな味わいが楽しめます。
おすすめ農園
静岡県掛川市
浜松遠鉄百貨店や神戸阪急百貨店、横浜高島屋などで取り扱いのある農園。
ふるさと納税など発送にも対応しており、とてもお洒落な箱で送ってくださいます。プレゼントにもぴったり。

重厚な古都の味わい
6.古都華(ことか)


ポイント
・奈良で生まれた名作
・甘味も酸味も強い、インパクトのある味わい
・関西圏ではよく知られた高級品種
どんな品種?
2011年に品種登録された、奈良県の育成品種。
整った円錐形になり、時期次第では1粒40gを超えるような大粒になることもあります。
ツヤツヤで見栄えが良く、甘味も風味も抜群に強い。
濃い味わいのため、スイーツに合わせるのも◎。
奈良県は近年いちごの栽培に力を入れており、『古都華』も大阪や京都を中心に高級ブランドいちごとして名を馳せています。
価格帯は少し高めですが、東京近郊のスーパーや百貨店、高級果物店でもお目にかかることが出来ます。
★ポイント
『古都華』や『きらぴ香』など、『紅ほっぺ』を親に持つ品種はパックのフィルムに黒いシミのようなものが付くことがあります。
その正体はいちごに含まれる色素のアントシアニン。特に害はありませんので、ご安心を。
おすすめ農園
5軒のいちご生産者の出荷組合で、豊洲市場にも出荷しています。
品質がとても高く、高級果物店でも取り扱われるほど。
小売店で探すのはなかなか難しいので、産地直送で購入するのがおすすめ。
愛媛の宝石
7.紅い雫(あかいしずく)


ポイント
・愛媛生まれの綺麗ないちご
・とても硬くて、とても甘い
・県外流通が少ないためなかなかお目にかかれない
どんな品種?
愛媛県で育成され、2017年に品種登録されたオリジナル品種。
果肉がかなり硬く締まっていて、甘味が抜群!
フローラルな香りとフルーティーな風味が感じられる、魅力的な味わいの品種です。
しっかりした歯応えと奥深い味わいのいちごが好きな方におすすめです。
栽培が愛媛県内に限定されており、愛媛県外での流通量はかなり少なめ。
現地以外で購入する場合は産地直送が中心になります。
おすすめ農園
愛媛県西予市
『紅い雫』をメインに栽培する農園で、豊洲市場にも少し出荷されています。
産直通販やふるさと納税でも購入することができます。
まだまだ注目の既存品種
各地で新品種が誕生している昨今ですが、今まで長く作られてきた品種にもおいしい品種がまだまだあります。スーパーなどでも見かける機会の多い品種もあるので、ぜひ売り場でいちごに目を向けてみてください。
THE いちご
8.とちおとめ


ポイント
・栃木を代表するベストセラー品種
・甘酸っぱさが魅力のいちご
・『とちおとめ』にこだわる名人も
どんな品種?
1996年に栃木県で育成された品種。
甘味と酸味が強く、独特の風味があります。
栃木県以外でも多く栽培されており最も手に入りやすいいちごであったため『とちおとめ』の香りを「いちごらしさ」と捉えている方も多いのではないでしょうか。
果肉が硬く、直売では完熟してからの収穫も出来る品種です。
長らく栃木県の主力品種であり続け、いちご生産量日本一である栃木県の牙城を支えました。
栃木県の主力品種が『とちあいか』に置き換わった現在でも、茨城県産などの『とちおとめ』は多く流通しています。
また、「名人」と呼ばれるような凄腕の生産者さんでも、『とちおとめ』の味にこだわって栽培されている方がまだまだいらっしゃいます。
おすすめ農園
神奈川県海老名市
こだわった土耕栽培で作られた武井さんの『とちおとめ』は味が濃く、甘味も酸味もしっかり楽しめる極上の味わい。
いちご農園が立ち並ぶ「ストロベリーロード」という通りに位置しているため、他の農園にもぜひ寄ってみてください。
春まで美味しい群馬の薄紅
9.やよいひめ


ポイント
・群馬生まれの代表的な品種
・名前の通り、3月以降も美味しい
・北海道から沖縄まで栽培されている人気品種
どんな品種?
2001年に品種登録出願された、群馬県のオリジナル品種。
現在は日本全国に栽培が広がっており、スーパーマーケットでもお手頃な価格で入手することができます。
果実がとても大きくなる品種で、硬めの食感が特徴です。甘味が強く、熟すとココナッツのようなコクが感じられることも!
名前の通り、「弥生」( = 3月)になっても甘味が落ちない品種です。
ややオレンジ色に色付く品種のため、色が淡く見えることがありますが、熟していない訳ではありません。ヘタの付近までしっかり色づいているものを選びましょう。
おすすめ農園
伊勢崎市
産直ECサイト「食べチョク」の「食べチョクいちご博2024」で総合大賞に輝いた農園。
美味しいのはもちろん、パッケージも素敵なのでギフトにも!


無限大のポテンシャル
10.紅ほっぺ


ポイント
・20年経っても静岡の主力品種
・風味豊かでスイーツ用にも
・生産者ごとの個性が出やすい
どんな品種?
2002年に品種登録された、静岡県のオリジナル品種。現在は他県でも栽培可能で、全国各地で栽培されています。
ぶどうを思わせる豊かな風味があり、広がりのある味わいで美味しい品種です。
酸味があり、風味が濃いことからスイーツへも多く活用されています。
『紅ほっぺ』は、特に収穫時期や生産者ごとの違いが大きく出る品種だと思います
静岡県などの市場出荷品は硬めの食感で酸味が強め、風味も濃く感じられます。
対して、いちご狩りや直売で食べる完熟の『紅ほっぺ』はやわらかい食感で、
酸味は穏やかに感じます。
色々な農園の比較も楽しい品種ですね。
おすすめ農園
神奈川県川崎市
都心からも近い川崎市の住宅街に位置する農園で、味にこだわった栽培をされています。
完熟収穫ながらも硬さを保った『紅ほっぺ』は極上の味わい。
他にも色々な品種も作られているので、食べ比べもおすすめです。
蜜のように甘い香り
11.あまおとめ


ポイント
・愛媛県生まれで、他県でも栽培あり
・フローラルな甘い香りで、甘味も強い
・やわらかめなのでいちご狩りにも
どんな品種?
2009年に品種登録された、愛媛県の育成品種。
現在は他県でも栽培できるようになっており、宮崎県産のものが特に多く流通しています。
果肉は少しやわらかく、外側は鮮やかな朱色で、断面は白っぽい色合いです。
独特の甘い香りがあり、まるで花の蜜のよう。味もしっかり甘く、程よい酸味とのバランスが良い品種です。
愛媛県産や宮崎県産のものがスーパーなどで購入できるほか、いちご狩りの品種として活用されていることもあります。
おすすめ農園
兵庫県加古川市
「美味しい・大きい・甘い」をコンセプトに、『あまおとめ』や兵庫県育成品種の『あまクイーン』などを栽培されている農園。
時期にもよりますが、本当に大きくて甘いいちごを送ってくださいます。複数品種の食べ比べが出来るのも魅力。
いちごなのに…桃の香り!?
12.桃薫(とうくん)


ポイント
・栽培面積の少ないレア品種
・いちごとは思えないほど桃に似た香り
・やわらかいのでいちご狩りなどで使われることが多い
どんな品種?
ぷっくりとしたピンク色の見た目が特徴のいちごです。その魅力は何と言ってもその香り。名前の通り桃のような香りの中にココナッツのような香りやカラメルのような甘い香りも混ざっていて、初めて食べた時は「これがいちご…!?」と驚くかもしれません。
甘味は中程度ですが、風味がとても芳醇。果肉はやわらかくジューシーな食感です。
(ただ、外側の皮がやや硬く口に残りやすいので、少し気になるかも。)
果肉がとてもやわらかく輸送に向かないため、いちご狩りや直売での取り扱いがほとんど。作っている農園でも栽培面積が小さいことの多い、レア品種です。
おすすめ農園
新潟県上越市
『桃薫』と、新潟県オリジナル品種の『越後姫』をメインで栽培されている農園。
どちらもやわらかい品種のため、傷のつきにくい包装資材で丁寧に発送してくださいます。
まとめ
ここでご紹介した品種は全体のごくごく一部。ぜひ色々な品種を食べ比べて、自分のお気に入りを見つけてみてください。
また、同じ品種でも、生産者や産地の異なるものを比較するとさらに奥深いいちごの世界が味わえますよ。あなたの「推し」いちごが見つかることを祈っています!
ー いちごの品種に興味をもった方におすすめの本 ー